健康長寿の里、急須でお茶を飲む町・遠州森町の紹介です。
富士の国静岡、遠州森町は「森の石松」とともに「上級茶の産地」として知られております。
森町は遠州の小京都とも呼ばれ、京都に似た風情ある町。茶器を造る陶芸の町としても知られ、梅衣に代表される和菓子のお店も多く、森町にはゆっくりとお茶を楽しむ「こころ和む時間」が流れております。
また、静岡県「お達者度※」平成25年、平成26年度の発表で森町が総合第1位に。その要因の一つに「緑茶」をよく飲むという生活習慣が考えられています。
森町では「健康長寿の里」を目指し、お茶の町として「急須でお茶を飲む町づくり」をすすめて参ります。
※厚生労働科学研究班による65歳からの平均自立期間
森の茶の歴史は、室町時代末の天文三年(1534年)に、京都の文化人・三条西家実隆(さんじょうにしけさねたか)が記した「実隆公記」の中に、時の領主・天方道芬(あまがたどうふん)が交流のあった実隆に「椎茸一袋、茶五袋を送る」との記載があり、これ以前、森町で茶を生産していたことがうかがえ知れます。
また江戸時代の寛文十三年(1673年)の検地帳から茶園の記録もあり、幕末の横浜港開港後、お茶は森町にとって主要な輸出品となりました。
その後、昭和に入り、浪曲「森の石松」の枕詞として「遠州森の茶」は一躍全国にその名を知られるようになり、現在では産地直送の森のお茶が、県内はもとより全国各地に届けられております。
森町は三方を小高い山々に囲まれ、その真ん中を清流「太田川」が流れる、京都に似た風情ある町。古くは信州に続く「塩の道」、江戸時代には火伏の神「秋葉神社」へ続く「秋葉街道」の宿場町として栄え、千年余の歴史をつなぐ神社仏閣、四季を通じての花が咲くお茶の里です。
大正十二年七月、森町を訪れた地理学者「志賀重昴(しがしげちか)」は山紫水明のこの町を「小京都」と賞賛し、以来「遠州の小京都」と呼ばれるようになりました。
森の茶は甘みの中に適度な渋みと上質な風味が特徴です。
町北部には山間の茶園、南部には開墾による広大な茶園が広がっており、町内にはお茶の老舗や直売店が数多く店を構えております。また、森町には森山焼をはじめ、何軒かの陶房が茶器をはじめ芸術的な作品から日常の器まで、個性あふれる作品を生み出しております。
お茶請けとして「梅衣」や「栗蒸し羊かん」、「次郎柿羊かん」、「みそまんじゅう」などの手づくりの和菓子の店も多く、心なごむお茶の時間が楽しめます。